2020/08/10 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
顧問先様から「スタッフの家族がコロナ陽性者となり、スタッフは濃厚接触者となりました。保健所から連絡があり2週間の自宅待機が決まりました。」と連絡がありました。
今まではまだ身近にコロナに感染したという話しは聞かなかったので、どこかまだ他人事のような気でいたかもしれません。
3月4月頃は、もう夏には収まっているだろうと誰もが考えていたと思いますが、今全国的に感染者が増加し、客先で感染者が出たというお話しを聞くともう身近に迫っている事を実感します。
まだまだ収束は先になりそう、いやむしろこれから秋冬に向かえば収束どころか拡大の一方になるかもしれないと思うと恐ろしいです。
今回はこれからも続くこのコロナの影響で会社が休業したり、職員が休んだ場合の賃金支払い義務や手当についてご説明します。
①感染予防のための営業等の自粛で職員を休業させた場合 ②職員がコロナ陽性者になった場合 ③職員が濃厚接触者となった場合の3パーターンが考えられます。
①感染予防のための営業等の自粛で職員を休業させた場合
使用者の責に帰すべき事由(会社都合)で休業となった場合、その理由がコロナ等の影響以外であったとしても、「休業手当金」の支給が必要です。
コロナは会社のせいではありませんが、「使用者の責に帰すべき事由」とは天災事変など会社側がどうしても避けることが出来ないこと不可抗力に該当しない限りは、これに含まれる、としています。休業手当金は、休業期間中、当該労働者に平均賃金の百分の六十以上の手当を支払います。
②職員がコロナ陽性者になった場合
職員ご本人が、コロナを発症してしまった場合、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないので、休業手当金を支払う必要はありません。この場合は「傷病手当金」の支給条件に該当すれば、協会けんぽ等に申請をして「傷病手当金」の支給となります。
③職員が濃厚接触者となり自宅待機となった場合
弊所の顧問先の職員のように保健所からの要請により休んだ場合は、「使用者の責めに帰すべき事由」に該当しないため、賃金を支払う必要はありません。また、本人には自覚症状がないものの、家族が感染し濃厚接触者になった等の事由で、本人が休暇を取得した場合も賃金の支払い義務はありません。ただし本人からこの待期期間を有給休暇の取得としたい旨の申し出があった場合は拒否は出来ません。
まとめますと、
①感染予防のための営業等の自粛で職員を休業させた場合 →休業手当金
②職員がコロナ陽性者になった場合 →傷病手当金
③職員が濃厚接触者となり自宅待機となった場合 →賃金支払い無し(有給休暇で対応可)
となります。
なお、個別具体的な事案の判断は所轄の労基署にご確認頂くようお願いいたします。