2020/03/02 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
「新型コロナウイルス感染症」対策て、事業所閉鎖や職員の休業を実行、または考えている会社も多いはずです。
労働基準法26条は、
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」
と定めています。
この条文のとおり、「使用者の責に帰すべき事由」による休業であれば、会社は休業手当の支払義務を負います。
この「使用者の責に帰すべき事由」の範囲は広く解釈されていて、災害などの不可抗力によるものでない限りはこれに含まれるものと考えられています。
簡単にいえば、どれだけ手を尽くしても職員を就労させることができないというときのみ、使用者は休業手当の支払義務を免れるという事です。
労働基準法26条は休業を余儀なくされた労働者の最低生活の保障を図ることを目的としてますので、働けなかったことにより貧困に陥ってしまうということがないよう、余程のことがない限り休業手当が保障されるようになっているのです。
ですので、「今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、会社が感染拡大を防ぐための予防措置として、37.5度以上の熱など一定の症状がある従業員をそれだけの理由で一律で出勤停止にする場合はこれに該当しますし、症状が無い場合の従業員を休業させる場合は当然にこれに該当する」
という事になります。
つまり社会的要請に基づく予防措置だとしても、会社が自主的に判断したものであれば不可抗力とまではいえず、「使用者の責に帰すべき事由」による休業と考えられ、会社には休業手当の支払いが求められます。
ノーワークノーペイの法則がありますが、今回は保障という観点で休業手当を支払わなくてはいけないという事です。
弊所のお客様の休業を決めた会社が何社かあります。
有給休暇を優先的に取得して頂き、有給休暇の消化が難しい職員には60%の保障をするという告知をし、休業に入って貰っています。
またこれを機に、テレワークや在宅の導入を決め、就業規則に定めるご相談も増えています。
「新型コロナウイルス感染症」まだまだ終息が見えず苦しい状況ですが、感染拡大を防ぐためにも自分達で出来る対策はとっていきたいですね。