2025/10/05 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
◆Vol.66 理念に基づいた行動指標の作り方
経営理念を日常の業務に落とし込むには、社員が具体的に行動できるよう「行動指標」をつくることが不可欠です。理念は抽象的な言葉になりやすいため、そのままでは評価にも育成にもつなげにくいのが現実です。
行動指標をつくる第一歩は、理念を分解してキーワードを抽出することです。例えば「挑戦を大切にする」という理念なら、「新しい提案をする」「改善の工夫を試す」といった行動に変換できます。理念を「やるべき行動」に言い換えることで、社員は何を意識すればよいかを理解しやすくなります。
次に、指標は「観察できる行動」に落とし込むことが大切です。「積極的に取り組む」といった抽象的な表現では評価が曖昧になってしまいます。そこで「会議で月2回以上発言する」「プロジェクトで新しい方法を1つ試す」といった具体的な行動レベルに設定することで、公平な評価が可能になります。
さらに、行動指標は社員に一方的に押し付けるのではなく、現場の意見を取り入れて作成することが効果的です。実務を知る社員の声を反映させることで、現場に即したリアルな指標となり、浸透もスムーズになります。
行動指標は、理念を日常に生かすための「橋渡し」です。抽象的な理念を具体的な行動に翻訳することで、評価制度にも育成計画にも活かせる実効性のある仕組みが完成します。