2025/02/24 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
パワハラに関するコラム第3回は、職場のパワーハラスメントの概念と職場のパワーハラスメントに当たりうる6類型との関係性についてです。
以下の①~③の要素をすべて満たすものを職場のパワーハラスメントの概念と整理しています。
①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
②業務の適正な範囲を超えて行われること
③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
職場のパワーハラスメントの典型的な例として「職場のパワーハラスメントに当たりうる行為」として6つの行為類型が挙げられています。
ただし、行為の態様が、6つの行為類型に該当しそうな行為であっても、上記①~③の要素いずれかを欠く場合であれば、職場のパワーハラスメントには当たらない場合があることに留意する必要があるとしています。
みていきましょう。
【6要素】と①~③に満たす例、満たさない例
①身体的な攻撃
◆満たす
・上司が部下に対して、殴打、足蹴りをする
◆満たさない
・業務上関係のない単に同じ企業の同僚間の喧嘩(①、②に該当しないため)
②神的な攻撃
◆満たす
・上司が部下に対して、人格を否定するような発言をする
◆満たさない
・遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、再三注意してもそれが改善されない部下に対して上司が強く注意をする(②、③に該当しないため)
③人間関係からの切り離し
◆満たす
・自身の意に沿わない社員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする
◆満たさない
・新入社員を育成するために短期間集中的に個室で研修等の教育を実施する(②に該当しないため
④過大な要求
◆満たす
・上司が部下に対して、長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる
◆満たさない
・社員を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる(②に該当しないため
⑤過小な要求
◆満たす
・上司が管理職である部下を退職させるため、誰でも遂行可能な受付業務を行わせる
◆満たさない
・経営上の理由により、一時的に、能力に見合わない簡易な業務に就かせる(②に該当しないため)
⑥個の侵害
◆満たす
・思想・信条を理由とし、集団で同僚1人に対して、職場内外で継続的に監視したり、他の従業員に接触しないよう働きかけたり、私物の写真撮影をしたりする
◆満たさない
・社員への配慮を目的として、社員の家族の状況等についてヒアリングを行う(②、③に該当しないため)
いかがでしょうか。パワハラと一言で言っても様々な要素があり、またそのつもりがなくても本人の捉え方や感情にもよるのでとても難しいとは思います。考え過ぎると企業側としては、何にも出来ない手も足も出ない状態になりかません。上記にご案内した【3定義】【6要素】の内容を知っておくだけでも今後のパワハラ防止・対策にお役に立つと思います。