2024/08/05 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
令和6年6月中旬に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2024」と、それを加味して改訂された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」が閣議決定されました。
これらは、近い将来の政策の方針やその実行のための計画を示すものですが、人事労務関連に着目すると、賃上げの促進、三位一体の労働市場改革の推進、人手不足への対応などに関する政策があります。
中でも気になるのは、【賃上げの促進】にある、<最低賃金を2030年代半ばまでに全国加重平均で1500円に引き上げることを新たな目標にする>という表明です。
最低賃金が1500円となると、仮に新卒の給与(月給)を最低賃金で設定すると、例えば月平均労働時間が168時間の会社の場合、初任給は252,000円になります。
産労総合研究所の調査によると2024年度決定初任給額(2024年4月に確定した初任給)は、大学卒(一律)が22万5,457円、高校卒(一律)が18万8,168円という結果です。
対前年度増加率は1992年度以来32年ぶりに、全学歴で3%超との事なので、たった6年後の2030年に果たして1500円へのアップは現実的なのでしょうか?「全国加重平均」なので地域差の是正も必要です。
最低賃金が上がるのは働く側からすると良い事ですが、企業側、特に中小企業にとっては厳しい状況になるかもしれません。
どのような形で具体化されるのか、今後の動向に注目です。