2025/10/15 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
◆Vol.76 理念に触れる研修プログラムの設計
経営理念を社員に浸透させるには、採用時や入社後の教育だけでなく、継続的な研修の場で理念に触れる仕組みを設計することが効果的です。研修は知識やスキルの習得にとどまらず、理念を理解し体現する力を育てる重要な機会となります。
まず取り入れたいのは、理念をテーマにしたディスカッションです。「この理念を日常の業務でどう活かせるか」「過去の成功事例や失敗事例を理念でどう説明できるか」といった問いを立て、グループで考えることで、理念が具体的な行動指針に変わっていきます。
次に有効なのは、ロールプレイやケーススタディです。例えば「顧客第一」の理念を持つ企業なら、顧客対応の場面を想定したロールプレイを行い、理念に沿った行動を体験させます。実践を通じて理念を「知識」から「行動」に落とし込むことができるのです。
さらに、管理職やリーダー向け研修では「理念をどう語り、どう伝えるか」を重視することが必要です。リーダー自身が理念を自分の言葉で語れるようになると、現場での浸透力が格段に高まります。ある企業では、リーダーが自分の体験をもとに理念を語るプレゼンを研修に組み込み、理念の伝わり方が大きく変わったといいます。
理念を研修プログラムに組み込むことで、社員は定期的に理念を思い出し、行動と照らし合わせる習慣を持つようになります。理念を知識で終わらせず、体験を通じて浸透させることが、強い組織文化を築く土台となるのです。