2025/08/28 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
◆Vol.28 評価制度が育む「心理的安全性」とは?
最近、多くの企業で注目されているキーワードのひとつに「心理的安全性」があります。これは、職場で自分の意見や感情を安心して表現できる状態を指します。「間違ってもいい」「意見を言っても否定されない」「助けを求められる」——そんな空気があるチームは、協力し合いながら前進する力が強く、結果として生産性も高まる傾向にあります。
一見すると「心理的安全性」と人事評価制度は別の領域のように思えるかもしれません。しかし、評価制度の設計や運用のあり方が、この安全な空気づくりに大きな影響を与えていることはあまり知られていません。
評価制度が心理的安全性を高めるには、まず「透明性」と「公平性」が重要です。何を評価されるのか、どうすれば高評価になるのかが明確で、評価者ごとのばらつきが少ない制度であれば、社員は納得感をもって業務に取り組めます。「どこを見られているのかわからない」「上司の好き嫌いで評価されている」と感じる制度では、不信感や不安が生まれ、意見表明や挑戦がしづらくなります。
また、評価面談の場を“結果を伝えるだけの場”にとどめず、“振り返りと対話の場”とすることで、心理的安全性は大きく高まります。たとえば、面談で「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考える姿勢を見せる、「今期はこういう部分が良かったね」と具体的に認める。こうしたやり取りの積み重ねが、評価される側の安心感につながります。
さらに、「成長プロセスを評価する視点」を制度に組み込むことも効果的です。成果だけでなく、取り組み姿勢やチームへの貢献なども評価対象とすることで、社員は「結果がすべてじゃない」「挑戦すること自体が評価される」と感じることができます。これは、失敗を恐れずに新しいことに挑む土壌を育み、組織全体の活性化につながります。
そしてもう一つ、評価者自身が“安心できる存在”であることも大切です。評価者研修などを通じて、部下の話をよく聞くスキルや、否定せずに受け止める姿勢を育てることで、面談の質が上がり、信頼関係が深まっていきます。
「評価」は本来、線引きや選別のための仕組みではなく、社員の成長や組織の未来に向けた“対話のきっかけ”です。その本質を意識して制度を設計・運用すれば、評価制度は単なる制度を超えて、心理的安全性という組織の土台を育む力強いツールになります。
「評価があるから、安心して話せる」「評価の場があるから、次への一歩が踏み出せる」——そんな風に、評価制度が組織に温かな風を吹き込む存在になっていくこと。それこそが、制度の本来あるべき姿ではないでしょうか。
明日のVol.29は、【評価制度でリーダーを育てる秘訣】です。お楽しみに!