2023/10/04 カテゴリー：お知らせ
by himawari-staff
岸田総理が、2023年10月より、パート・アルバイトで働く方の、いわゆる「年収の壁」について、事業者に対し1人当たり最大50万円の助成を行う事を発表しました。
制度の内容については、厚労省の公式ページが詳しいため、そちらをご参照いただければと思います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
さて、今回の対象となっている、年収の106万円の壁・130万円の壁とは、そもそも一体何なのでしょうか？
家族の扶養に入られる方の「年収の壁」というのは、100万、103万、106万、130万、150万、201万と、幾層にもわたって存在します。
ここまで細分化されているのは、住民税、所得税、社会保険、配偶者特別控除など、それぞれで制度の基準が異なるためです。
106万円、130万円の壁については、「社会保険」に関する壁となっています。
通常、社会保険の加入対象となるのは、週30時間以上の労働者になりますが。
しかし、現在政府は社会保険の適用拡大を進めている関係で、一定以上の規模の会社の労働者は、週20時間以上の勤務で、社会保険に加入する義務があります。
この一定以上の規模の会社に勤めている方についての社会保険の加入要件に該当するのが106万円、
それ以外の会社に勤めている方についての社会保険の加入要件に該当するのが130万円になっています。
これらの要件を満たすと、社会保険の扶養に入ることが出来ず、
自分で健康保険料を納め、国民年金の第三号被保険者を外れ、厚生年金保険料を納めることになります。
つまり、この壁を越えて、自分で社会保険料を納めるようになるということは、手取りが以前より減るという事になります。
さらに、近年最低賃金の立て続けの上昇により、こちらの基準を超える方が増えることは予測されるため、
この手取りが減るという現象に対して、2年間補助しようというのが、今回の、一時的な激変緩和措置となる、「年収の壁・支援強化パッケージ」の目的になります。
申請方法等の、制度の詳細については、現時点ではまだ明らかになっていません。
弊所では、今後もこちらの動向を注視してまいります。
