2025/10/11 カテゴリー:コラム
by himawari-staff
◆Vol.72 理念に根ざしたコミュニケーション術
経営理念を組織に浸透させるには、日々のコミュニケーションの中に理念を取り入れることが欠かせません。理念を掲げていても、会話の中で触れられなければ、社員の意識に根づくことは難しいからです。
まず有効なのは、フィードバックに理念を組み込む方法です。「顧客第一」という理念を持つ企業であれば、「今回の対応は顧客を大切にする姿勢がよく表れていたね」と伝えると、社員は自分の行動が理念に結びついていると実感できます。評価や感謝の言葉に理念を織り交ぜることで、理念は生きた言葉になります。
次に、会議やミーティングの場でも理念を活用できます。議論が迷ったときに「私たちの理念に照らすと、どちらが適切か」と問いかけると、意思決定が一貫しやすくなります。理念は対立を解消する基準となり、組織全体の判断軸をそろえる役割を果たします。
さらに、社員同士のコミュニケーションにも理念を活かせます。ある企業では、社内のメッセージツールに「理念に基づいた行動を見かけたら共有する」仕組みを設けました。日常の中で仲間の行動を称える習慣が生まれ、理念が自然に浸透していったのです。
理念をベースにしたコミュニケーションは、単なる会話を価値ある学びに変えます。理念を共有言語として使うことで、社員同士の理解が深まり、組織はより強固な一体感を築くことができるのです。